ギャラリー / Gallery
このページでは、バーチャル京都構築のための様々な研究やweb-GIS制作に関わる情報を提供しています。
ここでは主に、「バーチャル京都」マップに掲載前の各種コンテンツや技術についてご紹介します。
vol.5 「バーチャル京都Webサイトの一年間〜アクセスログからみる閲覧状況の分析〜」
(2008.01.16 UPDATE)
vol.4 「明治中期の京都〜千年の都の百年前のすがた〜」(2007.11.03 UPDATE)
vol.3 「京都観光の今昔」(2007.10.08)
vol.2 「京都市新景観条例のシミュレーション」(2007.09.09)
vol.1 「五山の送り火をどこから見ますか?」(2007.08.05)
今年3月13日に、京都市議会で「新たな景観政策の推進に関する決議案」が可決され、 「京都市屋外広告物等に関する条例」、「京都市市街地景観整備条例」、「京都市風致地区条例」」、 「京都市自然風景保全条例」の改正と、「京都市都市計画(京都国際文化観光都市建設計画)高度地区の 計画書の規定による特例許可の手続きに関する条例」、「京都市眺望景観創生条例」の制定が 3月23日に公布されました。これらの改正条例と新たな条例は、9月1日からの施行されています。
今回の新たな景観施策では、高度規制の強化が大きな話題となりました。高度規制の強化によって、 従来45mまでであった区域では31mまでに、31mまでであった区域では15mに制限されるようになります。 これによって、都心部では10階建てを超えるような高層マンションなどの新たな建設が困難になってしまいます。 従来から建っている建物は問題ありませんが、元の高さでの建て替えが難しくなります。 しかし、高い建物がこれ以上建たないことを考えると、すでに既存の高層マンションなどでは、 新しいマンションでは得ることのできないその眺望が、新たな価値として評価されるようになるかもしれません。
では、高度規制の強化によって、どの程度建物の高さが変わるのでしょうか? バーチャル京都で使われているMAP CUBETMのデータを利用して、シミュレーションをしてみましょう。
まず、都心部の現状の建物は上の画像のようになります。四条通や烏丸通、河原町通といった都心部の
幹線道路に沿って高い建物が建っていることがわかります。その内側でも、ぽつぽつと高い建物が
建っていることがわかるでしょう。内側の地域では、1990年代後半に町家や繊維関連企業の跡地に
マンションが多く建てられました。
建物の上にのっている色のついた板状のものは、規制の強化前の高度規制です。幹線道路沿いが
おおよそ45m、内側の地域が31mに指定されています。一部の建物が制限オーバーをしているように見えますが、
これは、塔屋などの工作物や高さの計算・取得上の誤差が原因で、制限は原則的に守られています。
次に、上空の板を高度規制の強化後の高さまで下げてみましょう。
幹線道路沿いや内側の地域でいくつかの建物が飛び出るようになりました。これらの建物は、 建て替え時に元の高さで建設することはできなくなります。地面近くから見てみると、内側の地域では、 かなり低くなっていることがわかります。
では、仮に、何十年後かにこの範囲の現在の建物すべてが、高度規制の高さギリギリの高さの建物に
建て替わってしまったらどんな景観になるのでしょうか?
下の画像がその状態になります。下の四条高倉の大丸前から東山方面を眺めた画像をみると、
規制前後の差がよくわかるでしょう。今回の規制強化では、少なくともこの地点から東山が見えるかどうかという点に限れば、
大きな変化はないことがわかります。
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ナカニシヤ出版から発売されている『バーチャル京都』には、この他の景観シミュレーションも
行なわれています。
9月より施行される新景観条例に関して、バーチャル京都の新しいコンテンツとして、 京都市都市景観部と共同で「眺望景観規制検索WebGIS」を作成しました。 このシステムでは、GoogleMapsAPIを利用して、クリックした地点が眺望空間保全区域内かどうかを検索し、 区域内であればその地点での標高規制値を表示するものです。また、周辺100mの範囲内に公共測量基準点があれば、 その標高も表示されますので、その地点に建築可能な高さの目安を知ることができます。