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ギャラリー / Gallery
 このページでは、バーチャル京都構築のための様々な研究やweb-GIS制作に関わる情報を提供しています。
 ここでは主に、「バーチャル京都」マップに掲載前の各種コンテンツや技術についてご紹介します。

vol.5 「バーチャル京都Webサイトの一年間〜アクセスログからみる閲覧状況の分析〜」 (2008.01.16 UPDATE)
vol.4 「明治中期の京都〜千年の都の百年前のすがた〜」(2007.11.03 UPDATE)
vol.3 「京都観光の今昔」(2007.10.08)
vol.2 「京都市新景観条例のシミュレーション」(2007.09.09)
vol.1 「五山の送り火をどこから見ますか?」(2007.08.05)

vol.4 「明治中期の京都〜千年の都の百年前のすがた〜」

 2008年には、京都の交通網が大きく変わります。 まず、1月には阪神高速道路8号京都線が上鳥羽ランプまで完成し、 5月には新十条通(稲荷山トンネル)も完成する予定です。 また、1月には地下鉄東西線も、太秦天神川まで延伸します。
 時はさかのぼって明治20(1887)年ごろ、 当時は、名神高速道路などなく、鉄道も現在のJR東海道本線にあたる鉄道が 通っているだけでした。当時作成された、日本で最初の近代的な測量による地形図を デジタル化したデータをもとに、百年前の京都の状況をみてみましょう。

画像:現在の都心部の1887年ごろの土地利用
(画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)

 当時の京都の市街地は、現在の上京・中京・下京・東山区とその周辺の一部に広がるのみでした。 その市街地をみても、当時の下京(市街地の南半分)は建物がかなり密集した市街地となっていますが、 上京(西陣など市街地の北半分)では、竹林や畑が目立っています。 市街地の西側に目を向けると、大部分が田となっており、ほとんど現存しない御土居(盛り土の一部)が そのなかを南北に貫いています。また、市街地の南端には、当時の京都駅がありますが、 大津方面への線路は、現在のように東山を貫通するのではなく、鴨川に沿うように南下しています。

 では、現在の都心部にあたる4区について、現代の土地利用と百年前の土地利用を比較してみましょう。 現代の土地利用データとしては、国土交通省国土計画局が公開している国土数値情報の 土地利用細分メッシュデータの平成9(1997)年版を利用しました。 メッシュのサイズがやや大きいので単純には比較できませんが、 現代ではほとんどが市街地化されていることがわかります。

画像:現在の都心部の1997年の土地利用
(画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)

 国土数値情報と同じ項目で土地利用別の面積を集計したものが下の表になります。 建物用地が大きく増加し、田や農用地は消滅してしまっています。 また、森林もかなりの割合で減少していることがわかります。 東山などでは南部を除き大きな減少はみられないようですが、 市街地での竹林の減少が大きく影響しているものと考えられます。

画像:現在の都心部での100年間の土地利用の項目別変化
(画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)

 このように、京町家や多くの寺院の残る京都でも、100年のあいだに、 大きな変化を遂げてきたことがわかります。
 書籍版『バーチャル京都』には、旧版地形図のより詳細な解説や、土地利用図の3次元画像などが載っています。 また、文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタルヒューマニティーズ拠点」では、 この明治の土地利用図から簡易の3次元建物モデルを生成する試みがなされています。 これからの成果にもご期待ください。
 なお、ここでご紹介した明治の土地利用図は、バーチャル京都2Dマップからもご覧いただけます。

 
関連リンク
  • 国土数値情報ダウンロードサービス(JPGIS準拠データ)(http://nlftp.mlit.go.jp/ksj2/index.html

  • このウェブサイトは、文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」(立命館大学)、
    立命館大学21世紀COEプログラム「京都アートエンタテインメント創成研究」(2002-06年度)、
    文部科学省学術フロンティア推進事業「文化遺産と芸術作品を自然災害から防御するための学理の構築」(2005-09年度)、
    文部科学省オープン・リサーチ・センター整備事業「デジタル時代のメディアと映像に関する総合的研究」(2001-05年度)(2006-08年度)
    の研究成果の一部である。
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